傷有りケヤキの枝矯正、これも個性です

さて今回は、幹が二股に分かれたケヤキの素材です。

この素材は、種を蒔いて発芽し、軸切り挿し木という大きな試練を乗り越えてここまで成長しました。

しかし、よく見ると幹が二股に分かれたところに縦にがあるんです。

ここは以前、二股に分かれた枝を真っ直ぐにしようとまだ細い時期に針金を巻いた時でした。

綺麗に裂けてしまったんです。その後、枯れないようにと糸を巻きつけて裂けたところがくっつくようにと願っていたのですが、このような状態になってしまいました。

微妙にくっつかずに裂けたままの状態。もうこのまま管理しないで放置していたのですが、昨年の夏の暑さにも負けずにしっかりしっかり成長してくれていました。

よく見ると、この傷も個性ですね。

もう一度曲がった枝を矯正してケヤキらしく真っ直ぐに上に枝が展開するようにしてみました。

向かって右側の枝がカーブしているので、ここに銅線を巻いて真っ直ぐになるように矯正します。

ここで、二股に分かれたところの角度。ここがゆるやかなので、なんかだらしなくみえてきますね。

では今度、この二股に分かれたところの角度をきつくしていきます。

そこで使用するのが「結束バンド」。

幹肌を傷つけないように、ビニールチューブの中に結束バンドを通して巻きつけていきます。

この画像の位置でしっかり結束バンドをきつく縛っていきます。そうすると、分かれた角度がきつくなりました。

いい感じになってきましたね〜

ここで気になるところが一つ。左側の枝の先端です。

上に枝が展開してなく、横に伸びていますね。これではあまり格好が良くないので、画像のところで枝を剪定します。剪定した下のところから展開している枝、ここを使います。

この枝は前方に展開しているので、銅線を巻いて上方に矯正していきます。

こうすることで二つのメリットがあります。

一つは、枝が上方に展開することで、左右のバランスが良くなります。

もう一つは、剪定したところが見えにくくなるということです。

最後に全体的に枝を剪定して長さを調整したら終了です。

今後の管理にもよると思いますが、いい感じの素材になる可能性が出てきました。幹に傷はあるものの個性として見れば、それもまた面白いですね。

この傷のあるケヤキの将来が楽しみになってきました。

また今後の経過を報告します。

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