ちょっと古い小岱松の取り木に挑戦

取り木

取り木(とりき)とは、植物の栽培方法の一つで、枝や茎を使って新しい根を育て、独立した個体として成長させます。

取り木の方法にはいくつか種類がありますが、代表的なものとしては次のような方法があります

  1. 空中取り木(くうちゅうとりき): 枝の一部を土に埋めず、空中で根を出させる方法。枝の皮を削り、その部分を湿らせた苔や土で包んでビニールで覆い、根が出るのを待ちます。
  2. 土取り木(つちとりき): 枝や茎を土に埋めて根を生やす方法。茎の一部を土に埋め、根が出るのを待ちます。

今回、小岱松に用いた方法は、1.の取り木です。

それでは、どの部分を取り木にするか?

実はこの小岱松、2月の下旬頃から上部の葉の色が黄色に変色しているんです。原因はよくわかりませんが、葉ふるい病なのかな〜と思っています。

そこでこの上部の部分はもう諦めようと、でも上部から2段目の枝はまだ大丈夫。

ここはどうにか活かしたい・・・でもこのままでは樹形が面白くない・・・

すこで、上の部分は枝の曲がりが面白いので、黄色の線で示した枝で半懸崖にして、赤で示した部分、ここを取り木にして懸崖にできればと考えました。

環状剥皮

さて取り木を行う上で重要なのが環状剥皮です。

この環状剥皮とは、植物の茎や枝の一部を環状に皮を剥く技法で、新しい株を得るために使われます。

方法は

皮を剥く範囲を決める

植物の茎や枝の周囲を一周するように、通常、約2~3cmの幅で皮を剥くことが一般的です。

剪定鋏を使用して2箇所、表皮に切れ込みを入れていきます

カッターを使用して縦に切り込みを入れていきます。

ペンチを使って表皮を剥ぎ取ってい、木質部を綺麗に出していきます。

ここで大事なのが「形成層」を出す。カッターを使用して、上の部分に切れ目を入れていきます。

この形成層は、植物の茎や枝の内部にあり、木質部と皮部との間に位置します。形成層は薄い細胞層で、葉で作られた養分の通り道です。そこを遮断するとカルスという成長細胞を発生させて根がつくられるんです。

本当に植物ってすごいですね〜

剥いた部分の湿度を保つ

皮を剥いた部分を乾燥させないように、湿らせた苔や土を使って覆います。これは新たに発根するための環境を整えるためです。

その前にもう一つ大事な作業。

根を出したいところに発根促進剤「ルートン」を塗ることです。

ルートンは、植物の発根を促進するための化学物質で、特に挿し木や取り木などで使用されることが多い製品で、成長ホルモン(オーキシン系のホルモン)が含まれています。これらの成分は、植物の細胞分裂を促進し、発根の過程を助けます。

そして水苔を十分に水で湿らせて環状剥皮した部分を覆います。その後ビニールポットに切り込みを入れて巻きつけるように保護して、ホッチキスなどを使用して固定していきます。

発根を待つ

後はそのまま数ヶ月、水苔が乾かないように管理していきます。

取り木を行なった部分、ここも肌がちょっと荒れ始めているところなので成功する?

この結果はまた報告していきます。

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